十人十色

□1000Hits企画『十人十色』アンケート&シナリオ劇場〜悲喜こもごも〜
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黎深:「ふん、まあ当然の結果だな」(パラリと優雅に扇を開く)

絳攸:「お、おめでとうございます黎深様…」

楸瑛:「………あの、途中、矢やら槍やら剣やら弾やら扇やらが飛んで来たのは、何だったんでしょうね…?」(よろよろ)

黎深:(知らん顔)

絳攸:「………」(気まずそうに目を逸らしながら楸瑛の肩をポンと叩く)


燕青:「え、そんな障害物あった?しかし、俺すんなりこんな上位になっちゃっていーのかなー、なんて」

静蘭:「いいわけあるか。大体、絳攸殿と接点が少ないお前がどうして三位なんだ」

燕青:「いやー俺ってば老若男女問わず幅広く人気があるからさー、人望ってやつ?」

静蘭:「米つき飛蝗にそんなもんあるか。こんな番付どうでもいいが、お前が俺より上なのが気に喰わん。替われ、落ちろ!」

燕青:「妬くなよ、静蘭v」

静蘭:「………」(すらり、と腰に佩いた剣を抜く)


十三姫:「相っ変わらず狭量で短気で黒い公子様ね〜。楸兄様も少しは見習ったらいいのに。紅家当主様にたじたじじゃないの」

雪那:「いや、あれは楸瑛の美点だよ」

月:「そうそう、清苑公子を見習うなんてとんでもない」

花:「まあ黎深に負けっぱなしなのは問題だけれどね」

楸瑛:「じゅっ、十三姫、兄上…!!どうしてここに!?」

十三姫:「どうして、って…私も三兄様も十位内に入ったんですもの。あ〜あ、これで龍蓮兄様も入っていれば藍家兄弟みんな揃ったのに。初めはかなり上位にいたのに、なんでかしら?」


龍蓮:(どこからともなく現れて…)「なんでもかんでもない。ただ心の友其の三がどうしても十位に入りたがっていたから身を引いたまで」

珀明:(すかさず)「まるでお前のお陰で僕が十位以内に入れたみたいなことを言うな、この笛吹馬鹿!!実力だ実力!ああ、絳攸様と共演できるなんて夢のようだ〜(妄想世界へGo)」

龍蓮:ぴ〜ひょろろ〜♪(めくるめく妄想のテーマ)


楸瑛:「………!!!」(「龍蓮、君は十位外だろ、何でここにいるんだい」とツッコミたいが、ただでさえへろへろなところに笛を吹かれ瀕死寸前)


楊修:「…ちっ、子供は夢見がちでいいですね。選ばれても決して主役は自分じゃなくて李侍郎だと気付かないんですかね。せめて賞金くらい貰わないと割に合いませんよ」

黄奇人:「ふざけるな、そんな余裕あるか。第一、あの金持ち男にくれてやる金などないわ!」

百合姫:「さすがは鳳珠様、しっかりしてるわ。うちの黎深とは大違い」

黄奇人:「………!!」(百合登場で思わず脱兎)


百合姫:「あ…。はーあ、やっぱり嫌われちゃってるのね…。全部黎深のせいよ、もう」

黎深:(鈍い奴だな…、と思いつつ)「何の用だ百合」

百合姫:「あ、そうそう賞金だけど、お金はともかく折角だから褒美くらいあったらなと思って」

黎深:(嫌な予感を感じつつ)「…どんな?」

百合姫:「え?そうねえ。定石通りにいけば……絳攸からの熱い抱擁とか接吻とか?」


絳攸:「!!??」(サアッと青ざめる)

楸瑛:「!!!」(テレレレッテレ〜ン♪楸瑛は回復した)


百合姫:「なんて、それは絳攸が女の子だったらの話よねー、って、あら…なんか、本気…?」

黎深:(呆れながら)「……阿呆が…」


楸瑛:「絳攸、私は2位だからもちろん褒美を貰う権利はあるよね!?ね!!」(じりじりと絳攸に近付く)

絳攸「ない!そんな権利は誰にもないっ!!よ、寄るな、触るな!近寄るな!!」(じりじりと逃げる)


十三姫:「わ〜、我が兄ながらみっともないわね〜…」

三兄:「「「面白い、私達が黎深の養い子の唇を奪ったらあの二人はどういう反応をするのかな」」」

燕青:「大変だねえ、李侍郎さんも。あ、俺は参戦しないから安心しろよな」

静蘭:「…むしろ逝ってこい」

珀明:「こ、こここ絳攸様と、せ…!?」(思考ショート)

楊修:(溜息ついて)「出来る訳ないでしょう。どうせアノ人が邪魔しますよ。ほら…」


黎深:「仕様がない奴だな」(絳攸と楸瑛の間に割り込む)

絳攸:「れ、黎深様!」(ほっとしてつい無防備に)

楸瑛:「どいて下さい、黎深殿。これは当然の権利なんですから」


全員:「………」(そうだったっけ?と思うも面白そうだから傍観)


黎深:「そうだな、当然の権利だな」(パチンと閉じた扇で絳攸の顎を上向かせる)

絳攸:「…?れ…?」

黎深:「ならまずは1位の私から貰うのが筋というものだろう」

楸瑛:「…は?あ!!!」

絳攸:「れ…!ん…!」

百合姫:「げ!」

全員:「!!?」



※ピンポンパンポン〜♪しばらくお待ち下さい。



絳攸:くてっ。(放心状態で黎深に寄りかかる)

黎深:「なんだ、これしきのことで情けない奴だな。まあいい、これ以上は無理そうだからコレは連れて帰る。行くぞ、百合」

百合姫:「……ケダモノ」

黎深:「お前が言い出したんだろうが、お前が。第一これくらい親子の触れ合いだろう。私も兄上とよくやったものだ。そう、あれは私が八つの時…」

百合姫:「はいはいはーい、捏造話は俥の中でねー。それじゃあ皆さん、ごきげんよう」(黎深を俥に押し込めてそそくさと退場)


十三姫:「あらら、行っちゃった…。おーい、楸兄様、いいの〜?」

楸瑛:「………」(こちらも放心状態)

雪那:「やれやれ、困った子だね」

龍蓮:「全く、人格未形成甚だしいな」


十三姫&三兄&龍蓮:(((まあ、そんなへたれ具合が可愛いんだけどv)))


燕青:「…藍将軍の何が不憫かって、あの兄弟に囲まれてるとこだよなあ…。せめて『十人十色』で李侍郎さんと幸せな話書いて貰えたらいいよな、な?」

静蘭:「……無理だろ」




〜終劇〜
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