図書室

□ハッピーバレンタイン
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『2月14日は何の日?』

と聞かれれば誰もが同じ答えを言う。


俺は知らない。


行事に疎い俺は現世のことなんて知らない。









2月13日


「えぇ?!隊長、バレンタインデー知らないんですか?!」


事は松本のこの発言から始まった。


「悪いか?くだらんこと言ってないで仕事しろ!」
「ダメですよ!!この日は一年に一度、恋する乙女たちが勇気を出して好きな相手に気持ちを伝える大切な日なんですよ?!」
「わかったよ。だから仕事…」
「わかってないですよ。仕事よりもこっちのほうが大事です!」


女ってどうしてこう、行事にうるさいんだろうか…。俺はそんなことよりこの書類の山をなんとかしたい。

乙女の気持ちより俺の気持ちを優先しろ!!!

「大体、どこに乙女がいるんだ…」
「いるじゃないですか、そこに」


松本が指差すのは、……俺?
お、おれ?


「おい、俺は男だ」
「知ってますよー。今更女だってカミングアウトされても困ります」
「なら何故俺を指差す?」
「ふふふ…」


こわ…不気味な笑いしやがって…


「一護」
「…!!」
「元気にしてますかねー?」
「………さぁな」
「バレンタインは気持ちを伝えるだけでなく、同時にチョコレートも渡すんですよ」
「だから?」
「一護にチョコレート渡せば喜びますよ」
「だろうな。あいつはチョコレート好きだからな」


松本のやつ、何が言いたいんだ…!
仕事してくれ!!


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