図書室

□風邪が運ぶ幸せ
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木枯らし舞う季節


「へっくゅん!」


くしゃみ


「ゲホゲホッ…!!あー…」





「くそー…」


ズっと鼻を啜る。おまけに鼻声。


「はぁ…だる…」


ぼんやりする頭。熱っぽい顔をしてベッドに臥せる。
黒崎一護、滅多に引かない風邪を拗らせた。








「お兄ちゃん、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だから…行ってこいよ…」
「じゃあ…なるべく早く帰ってくるから。暖かくして寝ててね」

そう言って黒崎の妹、遊子が部屋を出ていく。静かになった部屋で一人咳込む黒崎は重たい瞼を閉じた。


  ――風邪なんて久しぶりだ…いつ以来だろ…


今日は折角の休みであり、家族で出掛ける予定を立てていたのに、黒崎は留守番をすることになった。
部屋の同居人の改造魂魄のコンは窓から飛び出しどこかに行っているので、実質家には一人だけ。ゆっくりできるとまた眠りにつく。




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