過去拍手文

□Force the Master of Village on Him.
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未来設定




「せーんせっ!!」

「うわっ!!コラ、いきなり抱きつくな!!」

「だって先生三日ぶり!!オレってばちょーとっきゅうで帰って来たってばよ!!」

「はいはい。オレも寂しかったよ〜」


 ここ、人生色々の一角でピンク色の(迷惑な)雰囲気を醸し出す二人の上忍。言わずとも知れた、はたけカカシとうずまきナルトである。


「ナルト、お帰り」

「ん、ただいまってば」


 『此処でイチャつくんじゃねぇ!!』――とは、ここにいる誰もが思っていることであろう。

 その時、凄まじい音と共に扉が勢いよく開いた。


「ナルト、いるかい!?」


 入って来た里の最高権力者の火影である綱手は、二人の方に真っ直ぐ歩を進めた。その横には常に行動を共にするシズネを従えている。


「!! バァちゃん!?どうしたんだってば!?」

「ナルト、何かしたの?」

「してねぇってばよ!!」


 ナルトはブンブンと目の前で大きく手を振っている。


「ナルト、オマエ誕生日だったな?」

「はあ?誕生日はまだまだだってばよ」


 至極不思議そうな顔で返答する。しかし、綱手は構わず話し続けた。


「誕生日プレゼントだ」

「いや、だから…」

「何だ、要らないのか?オマエに似合う服を見つけたんだが…。それなら仕方ない。捨てるか」

「えっ、待って待って!!じゃあ貰うってばよ」

「そうか。じゃ、後は任せた。
行くぞシズネ」


 そして二人は踵を返して部屋から出て行った。
 一つの包みを残して。


「何だろ…?」

「開けてみたら?」


 うん、と頷きナルトは包みを手に取る。
 その内にナルトの周りに他の上忍が集まってきた。
 ナルトは包みを開くと、中には羽織りが入っていた。ナルトはカカシと顔を見合わせる。


「とりあえず着てみたら?」

「う…うん」


 カカシに促されて、ナルトはそれを羽織り、その場で一回りしてみせた。

 どう?とナルトが尋ねるようにカカシや周りに居る上忍を見ると、全員があ、と言った表情のままナルトを指差した。

 何だ、と言おうとした時またもや扉が勢いよく開いた。


「綱手姫!!」


 入って来たのはご意見番の二人。その二人にカカシは示すようにナルトを指差した。気付いたご意見番は焦ったような渋ったような怒りのような顔を広げてナルトを指差した。


「ナルト、それはっ!!――っあぁ!!逃げられた!!」

「なぁ、一体何なんだってばよ?」


 状況が理解できないナルトは困惑顔でカカシを見た。


「ナルト…。う〜ん、おめでとう。似合ってるよ」

「うずまき、頑張れ」

「ナルト、大丈夫だ」

「ナルト君、応援してるからね」


 …と、カカシを筆頭に上忍たちは口々に未だ困惑するナルトに励ましの言葉を紡いだ。









 その日、五代目火影は失踪。
 五代目の独断(と少なくない偏見)により新しい火影が誕生した。

 火影の名はうずまきナルト。
 その羽織りの背中には六代目火影の文字が克明に書かれていた。



2008218



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