2009年1月13日1周年記念小説
※2部以降カカナル前提
「今日は何の日でしょう!?」
正座し真顔で問いかけるのは、はたけカカシ。額あてや顔の半分を隠すマスクは取り外し、随分とラフな格好だ。
問いかけられたのはうずまきナルト。壁に寄りかかりながらベッドに座り、巻物を手にしている。
「え…っと…?修行する日じゃねーの?前に約束したじゃん」
「そうだけど…さ」
「どーしたんだってば?」
肩を落とし、明らかにがっかりするカカシの様子を見て、ナルトは巻物を置きカカシと向き合う。そしてカカシの頬へ手を伸ばした。
「拗ねてちゃわかんねーってばよ?今日、何かあったってば?」
「…本気で言ってる?」
伸ばされたナルトの手の方に首を傾けながら、もう一度問い直した。
ただ先ほどよりも悲しい顔をしていたため、ナルトは答えをためらった。
「……うん」
それを聞き、いまだ頬にあるナルトの手に自分の手を重ね、そっか…とそれはそれは悲しそうに呟いた。どうやら本格的にいじけ始めたようだ。こうなるとなかなか機嫌を治してくれないのは過去の経験から、充分に分かっているナルトは、何とかしなければと、必死に考えた。
そして思いついたのは…
「じゃあさヒントくれってばよ?」
「ヒント?」
するとカカシは幾分か機嫌を治し、そ〜だな〜、と思案し始めた。
「ん〜…、じゃあ一年前に何があったでしょう?」
「一年前ぇ?
えっと…」
マジでわかんねー!!
一年前ってことは誰かの誕生日とかじゃなさそうだし…。
つか、一年前のことなんて覚えてねーってばよ!!オレは前を向いて生きる男だーっ!!!!!
と、顎に手をおき考えるものの、やはり答えは出てこない。
はあ、とさらに肩を落としたカカシは仕方ないなぁ…と答えを与えた。
「オレとナルトが付き合い始めたのはいつよ?」
「えっ?そんなの一年前くら…! あっそっか…」
「そーいうこと」
つまり今日は二人が付き合い始め、丁度一周年の日なのだ。すっかり忘れていたナルトは申し訳なさそうに謝った。
「ごめんなさい」
「いーよ」
「でも…」
しゅんとナルトが頭を垂れた隙に、カカシは頬で重ねていた手を自分の方へと引っ張った。当然ナルトはカカシの方へ倒れこみ、そのままベッドに突っ伏した。
「何すんだってば!?」
「今日は修行の日でしょ。修行だよ」
カカシはナルトに馬乗りになりながら、先程とは打って変わり上機嫌で言う。そして自身のシャツを脱ぎ捨てた後、ナルトの服にも手をかけていく。
「ちょ…ちょっと待ってってば!!今修行するって言ったじゃねーかよ!!」
「ん〜だから、おいろけ・男の子どうし術の修行だな。実戦で使うならさらに研究開発しなきゃな。しっかり励めよナルト!!」
「はぁっ!!??そんなんありえねーっん〜」
ナルトの言い分などお構いなしに、カカシはナルトに口付ける。
ナルトの息が上がってきたところで一端顔を離すと、行儀よく自身の顔の前でパチンと手を合わせ、大きく息を吸った。
「いただきます!!」
「黙れって!! ちょっと!?せんっ…ぁ…もっ…っっバカー――!!!!」
何とも色気のない言葉で始まった真っ昼間の情事。
大変なご近所迷惑となったのは言うまでもない。
2009.1.13