Text

□空寝
1ページ/3ページ



午後2時

カカシ先生の家



目の前には

いつの間にか眠ってしまった

カカシ先生――




  -空寝-







 最近、付き合い始めたカカシ先生とオレ。
 今日は任務が休みで、カカシ先生の家で二人でゆっくり過ごしていた。
 各々好きなことをしていたのだが、カカシ先生はいつの間にか眠ってしまったみたいで。


「せんせ?」


 床に座り込み、ベッドにもたれて眠る先生に、小さな、少しかすれた声で呼びかけても、返事はなかった。


「寝たってば?」


 静かに、規則正しく上下する胸に、自分の存在が先生にとって安心してもらえてるって嬉しさと、同時にこの状況に動悸が襲う。
 ドキドキと煩い心臓を落ち着けるため、深呼吸を繰り返す。
 ふぅっと息を吐いた後、眠る先生の横に向き合うように座った。


 綺麗な顔…。


 隠れている瞳は煌びやかで、見れないのがちょっと残念。
 あ、睫長ぇんだ…。

 へへっ…新しい発見。

 左腕で体重を支えて、右手を伸ばし、触れるか触れないかの距離で鼻筋を人差し指と中指でたどる。
 くすぐったそうに身をよじる先生が可愛い…なんて…。

 そのまま唇まで指を滑らす。

 ふにふにしてる…。前はちょっと乾燥してたけど、マシになったみてーってばね。よかった…。

 ――って…うゎぁ…////

 て…照れるってばっ////
 前ってのは前にちゅ…ちゅーした時のことで…。

 う…うぁぁ…////


 あの日を思い出したオレは、恥ずかしくなって、頭を抱えたまま、しばらく悶えた。

 そーいえば…まだカカシ先生とは3回しかしてねーんだよな…キ…キス…は…。

 そう思うと何だかキスしたくなってきた…。
 オレからしたことなんてねーし…。

 カカシ先生に視線を戻す。自然に唇へと目が行く。
 カカシ先生の…唇…から…目が離せない。


 キス…したい…。


 こくりと唾液を飲みほす。
 欲望のままゆったりとした動きで、カカシ先生の顔に自分の唇を寄せる。


 ドキドキするってば…。


 一瞬――‥‥

 軽く触れた唇。


 心臓が爆発しそうだってば…。


 でも…


「せんせ…」


 まだ眠っていてくれるよう願いを込めて囁く。
 目を覚まさない先生を見て、調子にのったオレは、大胆にも先生の膝の上を跨ぎ、膝立ちの格好になる。手を先生の肩に置き、ゆっくりと顔を近づける。
 そして以前に先生がしてくれたことを真似する。



 おでこに

 瞼に

 鼻の頭に

 頬に

 唇の端に


 順々にキスを繰り返す。


 オレってば、キス好きなんかな?


 頭のどこかでそんなことを考えつつも、キスは止めない。



 心が温かい…

 むしろ燃えそうに熱い。



 溢れ出す感情――…


 これが愛しいってこと?




「…っ…せんせっ、スキ…」




 また唇を寄せた。



- 1 -

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ