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□Rare
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「カっカシせんせー!!」


って元気過ぎるナルトの声とドンという衝撃。


「ぅお!?こらナルト、いきなり飛びつかないの!」

「へっへー!!怒るなってばよ、先生」


 オレの背に乗り、太陽をバックに明るく笑う子ども。

 うずまきナルト。


 煩い子。

 孤独を知る子。

 暖かい子。

 一生懸命な子。

 オレとは反対の性質の子。

 オレの部下。


 九尾のよりしろ。


 先生の忘れ形見。


 で、

 ――オレの好きなヒト。



「今日って先生の誕生日だってば?」


 オレの横を歩くナルトが見上げながら前ぶれもなく言った。

「え…ああ、そういえばそうだね」

「じゃあさ、じゃあさ、オレってば祝ってやるってばよ!!プレゼント何が欲しいってば!?」

「あ〜…欲しいものは…」


 プレゼントっていわれてもなあ…。
 そりゃオマエを頂けたら万々歳なんだけども…。


「……特にないね。」


 そう言うしかないな。


「えー!?オレが出来る範囲なら何でもあげるってばよ?何か考えてってば!!」

「ん〜。一番欲しいものは今は手に入らないんだ。レアだから、確実に手に入れたいしね」

「レア?貴重なものなんだってば?」

「半分正解。半分ハズレかな」

「それって何なんだってば!?」

「え〜と、生き物?うん、生き物」

「生き物?って犬とか?新しい忍犬でも欲しいんだってば?」

「う〜ん…犬というか…。ま、特徴を言うなら、黄色っぽい毛に、水色の瞳で少々うるさい生き物」

「はぁ〜?そんなんわっかんねーってばよ!!!!先生教える気ねーだろ!?」


 ぷくっと頬を膨らましたナルトは叫んだ。それを何とか宥めつつ、そんな二人の時間を楽しんでいたりするのも事実。


「な、じゃあさ、オレんち寄ってかない?」


 ん?いきなりどうして、じゃあで、ナルトの家に?

 そりゃ勿論嬉しいから二つ返事でおっけー。

 ナルトは少し驚いた後、キラキラ輝く笑顔をくれた。



 ナルトの家。
 椅子を引き腰をおろした。
 ナルトはオレにコーヒー、自分にはミルクを入れる。
 それから少しいびつなショートケーキを持ってきて、「はっぴーばーすでー」って照れながら呟いた。


「…オレに?」


 当たり前なのだが、確認のために尋ねる。
 こくん、頷くナルト。


「ナルトが作ったの?」


 そのまま下を向いたままのナルトの頬は恥ずかしいのか、ピンクに染まっていた。


「ありがとう。嬉しいよ。」


 そう言うと、またキラキラ輝く、少し照れた笑みをくれた。


 二人でケーキをつつく。意外にもケーキは美味しかった。まぁ、ほとんどナルトが食べたけど。


 楽しい時間は一瞬で、オレは帰ろうと立ち上がった。


「ありがとう、ナルト。」


 もう一度お礼を言った。

 ナルトはぶんぶんと首を横に振った。そして頬を染め、視線をウロウロさせながら、口を開いた。


「今日、先生に予定があったらどーしよーって思ってたけど…良かったってば///」


 ナルト…。

 ああ、どーしよーはこっちのセリフ。

 本当…こんな悪い大人にそんな言葉言っちゃダメだよ。しかもそんな顔をしたまま…。



 何も反応を返さないオレに不信感を抱いたのか、ナルトは恐る恐る顔をあげた。



 心配そうな、でも耳まで真っ赤なナルトの顔。



 あー…

 もぉ。




 知られてないはずの誕生日に

 偶然ナルトに会い

 所々、不自然な会話の後

 家に招かれ

 用意されたコーヒーと

 ケーキ。

 それから



「ナルト…」



 可愛い可愛い告白。




「もう少し居ても良い?」




2008.9.15















 もちろん応えはキラキラ輝く満面の笑み。

















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