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□純愛
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「心契」直後のお話





「カカシさん!!」


 夕暮れ時。カカシはサクナを抱え、ナルトと夕飯の買い物に商店街を歩いていた。ただ今ナルトは八百屋で店主と格闘中。


「おじさん、今日もイケてるっ!!あ、この大根うまそうだってばよ!!」

「おぅナルト。調子いいねぇ。だが、今日こそはまけねぇぜ!!」


 毎日よくやるなぁ…。とカカシはナルトの姿を関心しながら眺めていた。その時、一人の小柄な青年がカカシに話しかけてきた。


「あのカカシさん!!オレ横合(ヨコアイ)レンと言います」

「はぁ、どうも。」

 「どぉも」とカカシにつられてサクナも見知らぬ男に挨拶をした。


「あの、オレ前にカカシさんが住んでいたとこに住んでいるのですが、結構前にカカシさんの元カノって人うちに来たのですが、あのっ藍色の長い髪の女の人で、オレっ、一目惚れしたんです!!ですが、あの、どこの人か分からなくて自分なりに探したんですが見つからなくて…。カカシさん、どなたかご存知ないですか!?」


 一気に用件を告げ、息を乱す青年にカカシは僅かにたじろいだ。しかし、すぐに気を取り直し、青年が言う女性を思い出す。

 一方、今日も戦利品を得たナルトは八百屋の前で青年の言ったことを聞いていた。
 …――と言うよりかは聞こえたと言うのが正しいだろう。
 そしてナルトは気づいた。それは自分のことを指している、と。
 里に帰った時に青年の言う藍色の髪の女性に変化し、今カカシの目の前に居る青年と会ったのだから。
 それはオレだ、と言おうと歩き出そうとした時、またしても聞こえてしまった。――カカシの呟きを…。


「藍色の髪ねぇ。アリマか…いやアイツは藍色って感じじゃないし、う〜ん、イズミか…飛鳥かな。うん、飛鳥だと思うよ。中忍の」


 カカシは青年ににこやかに言い放った。女性の情報を幾つか教えて貰えた青年は丁寧にカカシに礼を述べ、去って行った。

 ――アリマにイズミにアスカ…。藍色の髪だという点だけで三人…。ナルトの手は怒りに震えていた。

 ――ムカつくっ!!!!


「ナルトー買えたー?」


 ナルトの気もしらずカカシは飄々と近づいてきた。ナルトは少し屈み、カカシの腕に居るサクナに目線を合わせにこりと笑う。

「サク、帰ろっか」

「あいっ!!」


 ナルトに呼びかけられサクナは片手を挙げて元気に返事をした。


「え!?オレは!?」


 カカシの言うことは無視してナルトは買い物袋片手に家路を急いだ。


 ――ああー!!ムカつくっ!!!!



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