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□滄海遺珠-ソウカイノイシュ-
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 もしカカシがオレと同い年だとしたら――

 もしオレがカカシと同い年だとすれば――

 関係は変わっていたのだろうか?


 結局、只の仮定論に過ぎない…。





-滄海遺珠-







 木の葉の里の商店街を一組の男女が歩いていた。

 男はこの里の誰もが知るはたけカカシ。忍者としての実力も高く写輪眼のカカシとの異名をもつ。

 カカシと腕を組む女はくのいちのようだ。漆黒の長髪、豊満な胸にくびれた腰、長い手足。数え上げたら切りがない、魅力的な女性だった。

 並んで歩く二人は、行き交う人の誰もが振り返る程、お似合いの恋人同士だ。


 その二人の様子を離れた建物の屋上から少年が眺めていた。

 少年の名はうずまきナルト。下忍としてカカシに師事している。お騒がせのドタバタ忍者で周囲に迷惑をかけつつも、その元気で真っ直ぐな性格に周囲の人間は、知らず知らずの内に引き付けらる。そんな人間だ。


 ナルトからは二人の姿はよく見えていたが、カカシは気づいていない。

 ナルトは呆れた表情を浮かべながら、何かを指折り数えていた。


「これで何回目だろ?あん時で5回目だったから…6、7…8回目の浮気か?
 もう疲れたってばよ、カカシせーんせ」


 小さく呟かれた声は、誰に聞かれることもなく消えていった。

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