短編

□めっちゃSS
2ページ/27ページ



魔王陛下と小さな不安



彼は 『眠くなった』と自室へ戻ってしまった
二人の甘い一時は すぐに終わってしまう
俺は自分のベットに腰掛け、恋人の温もりを撫でた
今日、隣国に偵察に行った兵士が一人 暴動に巻き込まれて死亡した


そして
ユーリは ついさっき涙をながしたその大きな瞳から ポタポタと

『命なんて賭けるなよ…コンラッド…俺は魔王だよ?
もしどっかの国の敵が攻めて来たら、魔法ぐらい使える
俺は、みんなを守りたいんだ
俺が みんなを守りたいんだよ』

知ってますよそんなの
誰かれ構わず、愛情を注いでしまう貴方。
知ってますか?
貴方が国王になってから、黙祷の数が減ったんですよ…


貴方は毎日俺を守ってくれる
貴方がいない 世界から
涙も 不安も
まもなく消えるであろう、この温もりでさえ………


悲しまないで とは言いません
だけど
どうか魔王でもない 貴方だけは俺が守らせてください


コンラッドは 爽やかな笑顔で ユーリの部屋をノックした


『あーコンラッド…なにぃ?』


《もう一度キスをしませんか?》




End




 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ