連載
□心の恋に触れるまで。
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12時間前
パクッ
俺は、コンラッドの持ってきた焼きたてパンに 真っ赤なジャムをこれでもかと塗って頬張っていた
『めちゃめちゃ甘いなぁ。コンラッド、これは何のジャムなの?』
香ばしいパン、うるおいたっぷりの野菜のサラダ、ベーコンエッグにコーンポタージュ…etc。
久しぶりの眞魔国の朝食は、懐かしくてお袋の味みたいだった。
うちのお袋は、朝は和食派だけどね
大広間のテーブルは、記念パーティーの飾り付け中という事で
今朝はベッドの上で摂っていた。
優雅というより、病院みたいだ
《早摘み苺かな?
ユーリ、ジャム付けすぎですよ。こんなに口の回りベトベトにして》
『んあ?良いんだよ〜朝の糖分は脳を活性化させるから』
《クスッ 確かに良い甘さが出てますね。今年のは上出来みたいだ》
素早く俺の口を指で拭うコンラッド。恥ずかしいから避けようとしたが、体の動きが鈍くなり動けなかった
『くそー…そういうのがモテテクなんか?!』
《キスで拭う方がポイント高いんですけどね》
ときメモみたいな展開は期待してないので、しらけた顔で紅茶を口に運ぶ
「お前らー!僕をのけ者にして、いちゃつくんじゃなーい!!」
存在を抹消されていたわがままプーは、コンラッドを見下ろしながらベッドの上で激しいダンスを披露した …ジダンダという名の
『揺・ら・す・ってヴォルフ〜熱ッ!!』
ビチャッと指に紅茶が零れた 指先はすぐに赤くなり、ジンジンと痛みを放ち出す。
《ユーリッ、見せてください……大丈夫…軽い火傷みたいですね。氷をお持ちします》