短編

□雨が降るなら
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久しぶりに城下街へ買い物に来てたんだ。
服とか〜靴とか〜ふ・つ・うのパンツとかをね
ギュンターが買い揃えると、なんか妙にフリルが付いてんだよ
しかも黒っ
着れねぇ〜よっっゴスロリかっ
ギュンターいはく

『陛下の漆黒には、この丁重に網込まれたレースが見事に〜………………』

だとさ。
でも俺は見逃さなかった
奴は長〜い黒の靴下…
ニーソックスを持っやがった!


数歩先を歩く、魔族似てない三兄弟の次男


『コンラッドそれ俺が持つよ』


「大丈夫ですよ、ユーリ
そのかわり迷子にならないでくださいね」


『ちぇ
どーせ俺は万年迷子ですよ〜。
別に迷子に、なろうとしてる訳じゃないんだけどね〜…』


子供の様にプクーっと頬を膨らませていたら、急にコンラッドが立ち止まった


「あ…すいませんユーリ。
ちょっとその店に寄りたいので、待っててもらえますか?」


『OK 名付け親
荷物は俺が見てるから、趣味に走って来いよ』


彼なら どんな趣味でも 許されるけどね
って いうか、コンラッドが指したのは
ただの小さな雑貨屋だから。


ドサッ
俺は店の前の ベンチに座った
…あぁ〜疲れた
爺さん並に腰が悲鳴を上げる
まぁ、朝からブラブラしてたもんな
横に投げ出した袋からは、数足の靴下
もちろん庶民用だ。
メイドのコスプレには走らない
他にも、シャツやらパジャマやらで膨れてる
つっても
フードのせいで、一枚も試着してねぇし…

顔面マスクでも 着けるか?
いやいや、
それって変態じゃん。
カツラならいけそ〜
禿げてないけどね?


そんな事をボーっと考えていたら、つむじに雨粒を感じた


サァァァァ…


『え?うわっ雨だよ
やばっ荷物、濡れる!?』


とりあえず上着を脱いで荷物に重ねてみた
近くの店へ非難しようとしていたら、焦った声が聞こえて来る


「ユーリっ」


『おぉ!
コンラッド、雨だよ雨ー!!
ヤベーって
俺のトランクス濡れちゃうよ』


「やだなぁ、ユーリ…こんな真昼間からそんな事言って」


『ざけんな。マジで。
爽やかな分、アンタはたちが悪いから!』


俺は母親譲りの黒目で非難の意味を込めて睨んでやった


『ってゆーかコンラッド、さっきから何持ってんの???』


「傘ですよ
降り出しそうだったので。」


そういって薄い水色のカサを手渡された
ヨシ●ミさんより当たるのね
眞魔国のお天気お兄さん
ぶっちゃけ
俺は 雨の中を走って帰るのを予想したけど

だって
なんかそういうの憧れるじゃん
渋谷有利は まだ
ピッチピチの高校生!!





 
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