短編
□唇の体温
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《ユーリ!!》
朝食後 執務中の俺の部屋を、グレタが尋ねた。
コンラッドが居るのも構わず抱きしめる
「グレタ〜!
会いたかったよ
こんなに 大きくなっちゃって…親が居なくても子は育つんだよな(泣)」
久しぶりに帰って来た可愛い娘は頬にキスをしてくれた。
チュッ
《ユーリ、大好きだよ!》
愛娘からの愛情に
ニヤニヤしていると、コンラッドにまでキスをしているではないか!
「ちょちょちょ、(待て待て待て…ってゆーか、待つのは俺!
どっちにヤキモチ妬いてるんだっての)」
『ありがとう、グレタ。』
《そのアヒルさんにもっ》
チュッ
「(許さん、ピッカリ君!
なんという教育をしてるんだ
教育委員会に訴えてやる
うちのグレタは、こんなことをするような子じゃありません!)」
俺の胸中を知ってか知らずか
彼女は、風のように去っていった