短編

□唇の体温
3ページ/23ページ






《ユーリ!!》


朝食後 執務中の俺の部屋を、グレタが尋ねた。
コンラッドが居るのも構わず抱きしめる


「グレタ〜!
会いたかったよ
こんなに 大きくなっちゃって…親が居なくても子は育つんだよな(泣)」


久しぶりに帰って来た可愛い娘は頬にキスをしてくれた。


チュッ


《ユーリ、大好きだよ!》


愛娘からの愛情に
ニヤニヤしていると、コンラッドにまでキスをしているではないか!


「ちょちょちょ、(待て待て待て…ってゆーか、待つのは俺!
どっちにヤキモチ妬いてるんだっての)」


『ありがとう、グレタ。』


《そのアヒルさんにもっ》


チュッ


「(許さん、ピッカリ君!
なんという教育をしてるんだ
教育委員会に訴えてやる
うちのグレタは、こんなことをするような子じゃありません!)」


俺の胸中を知ってか知らずか
彼女は、風のように去っていった






 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ