短編

□唇の体温
2ページ/23ページ





コンコン

カチャ

カツンカツン…


コンラッドがとうとう来てしまった!
俺は鼻まで布団を被り、息を潜める
よしっ、いつも寝てる通りの姿を演技しよう!!
ってゆーか俺、どんな寝相してんだっけ?
ヴォルフに蹴られてるのしか思い付かない…


バクバクバクバク


「…陛下、朝ですよ。」


コンラッドが俺の体を優しく揺する


『……。』


とりあえず、目をつぶり
寝たふりをする。
このままやり過ごせたらいいが
しかし、おでこに影が落ちるのを感じた


ブチュ


『っ!!』


がばっ


『…&@#*〜!?…コンラッド、あんたっ!』


「おはようございます陛下。」


彼は、黄色くて小さなアヒルを手にしていた
飄々と言葉を返すコンラッド
ただの悪戯だと気付いて、俺はワナワナ震えた


《さぁ陛下、今日も執務が溜まっていますよ
ギュンターを困らせないように頑張りましょうね》


にこやかな顔が逆にムカつく
バフン
ともう一度布団を被った俺は、
二度寝を決め込むのだった…。






 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ