黒の死者 旧

□利用価値
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蹴られた時、口の中が切れた。
不快感を覚えながらも女性の後を着いていく。


今ここで抵抗したらどうなるか―――試したい気持ちもあったが大人しくした。
この時、ジスタは少し興味を持っていた。







「――――何笑っているの?」




足音が止んだ。
眉間に皺を寄せ、女性が振り向く。
ジスタは思い出したかの様に呟いた。



「名前、じゃったな。」


「名前?」


「貴様の名前じゃよ。」



また笑うジスタに疑問を抱きながらも教える。



「…フィオ―ル……」


「それじゃあ貴様は教会の人間か?」


「………ええ。」


顔を曇らしたフィオールを見ぬフリをする。







また歩き始めた。
今度は話し声と共に。



「何故魔女に?」


「言ったでしょ、アンの為よ。」


「…そのアンは死んだのか?」



「まさか!?待っているのよ私を。私はアンを見つけるまで、この力を無駄にしたくないの。」


「呪いとやらは」




「私のタイムミリットだったわ。制限時間を付けられてた。」



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