黒の死者 旧

□悪夢再来
1ページ/5ページ


真夜中であって、誰もいない。

ジスタは道の真ん中を歩いていた。








「…………やぁ」



「来る頃だと思っていたよ。」




ケッケッ、と笑う老婆は道の端にいた。
辺りには椅子などは無く、老婆は道に座っているだけ。

黒髪に白髪が混じっている。




ジスタは躊躇うことなく老婆の前に座った。








「今回はどうしたんだぃ?」


「………呪い、じゃよ。」


「呪い?」



「南東に空き家がある。元教会場所でダヒィー家が住んでたらしい。」


「……暗殺か」



「ちょっとな」




老婆の目が細くなったのを見て慌てて誤魔化す。


ジスタは紙切れを差し出すと、話を進めた。



「情報によると、空き家が問題ではない。」



「?……教会って言いたいのかぃ?」



「儂の考えではな。」


教会の移動の理由は人々による反感。
それほどの事件があったらしい。



「それで、貴様に頼みたいことがある。」



「………場合によるね。」



「簡単じゃよ、
呪いについて調べてくれんか?」




困ったように笑うジスタに老婆は言いはなった。






「見れば分かるよ。






あんた、力が弱まっている。」



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ