黒の死者 旧
□悪夢再来
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真夜中であって、誰もいない。
ジスタは道の真ん中を歩いていた。
「…………やぁ」
「来る頃だと思っていたよ。」
ケッケッ、と笑う老婆は道の端にいた。
辺りには椅子などは無く、老婆は道に座っているだけ。
黒髪に白髪が混じっている。
ジスタは躊躇うことなく老婆の前に座った。
「今回はどうしたんだぃ?」
「………呪い、じゃよ。」
「呪い?」
「南東に空き家がある。元教会場所でダヒィー家が住んでたらしい。」
「……暗殺か」
「ちょっとな」
老婆の目が細くなったのを見て慌てて誤魔化す。
ジスタは紙切れを差し出すと、話を進めた。
「情報によると、空き家が問題ではない。」
「?……教会って言いたいのかぃ?」
「儂の考えではな。」
教会の移動の理由は人々による反感。
それほどの事件があったらしい。
「それで、貴様に頼みたいことがある。」
「………場合によるね。」
「簡単じゃよ、
呪いについて調べてくれんか?」
困ったように笑うジスタに老婆は言いはなった。
「見れば分かるよ。
あんた、力が弱まっている。」
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