黒の死者 旧

□悪夢
1ページ/5ページ






「――――お、割れた。」



ジスタはそのまま窓枠に力を加え、ガラスを割った。
幸い、床がカーペットだったので、派手な音は立てずに落ちた。




「(しかし、夜中にしては静かすぎないかの?)」



窓の鍵を開け、入ってみたが人の気配は無い。
少し不安になったジスタはもう一度、手紙に書いてある情報と地図を確かめようとした。







「こんにちは。悪魔さん。」





慌てて見上げると、若い女性の姿。
気付かないなんて、落ちぶれたもんだとジスタは軽く舌打ちをした。







「……何故分かった?」



「最近ウワサが流れてたの。悪魔が暗殺業に手を染めてるって。」



そう彼女は軽く笑うとジスタに近づいてきた。


金髪が歩く度にゆれている。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ