黒の死者 旧
□矛盾の痕
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セロの気配が一瞬で消えた。
安心したのも束の間、フィオールの蹴りが飛んできた。
ジスタは腕を掴まれており、避けることができない。
メリッと木を折るような音。
腹を蹴られた。
「主人!!」
麗矢の声がうっすらと聞こえる。
腹の痛みに嘔吐したくなった。
「っ……くそっ…!!」
手を無理矢理取ると、フィオールの頭を思いっきり掴んだ。
腹の骨が軋むが気にしない。
ジスタが力を込めると呆気なく頭は潰れた。
「………?」
ゆっくりと倒れる骨達に違和感を感じる。
「…終わりましたか?」
「あ、ああ。多分な……」
麗矢の笑みにつられて軽く笑う。
ふと、セロ達の行動を思い出した。
あの時フィオールを灰にして――――
「麗矢!!屋敷に入れ!!」
ジスタの叫びと同時に、骸骨は起き上がり始めた。
「これは………!?」
「説明は後じゃ!!早くせい!!」
驚く麗矢を引っ張りながら急いで駆ける。
頭を潰された骸骨は、二人の方向を見つめた。
片腕を壊され、頭蓋骨を潰された骸骨は歩き始めた。
fin