黒の死者 旧

□矛盾の痕
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「………だから何ですか。」


麗矢の言葉にセロは驚く。
その答えは予想していなかったらしい。



「悲しくないのか?故郷だろ?」



「特に愛着もないです。」



はっきりと言う麗矢を見て溜息が出そうになる。
ジスタは麗矢の言葉に不安を感じた。




フィオールが再びジスタの方を見た。
見た、と言っても頭の部分をずらしただけだ。

警戒するが反撃をしてこない。




「ま、いいや。愛着ないんだ。」


飽きたと言うようにセロは呟く。
その様子に二人は拍子を抜かした。



「なんじゃ、逃げるのか?」



「今日は挨拶と言うことで。」



セロが言った直後、フィオールがジスタに突っ込む。

慌てて避けるも腕を捕まれた。
フィオールが笑ったように見えた。


「そいつ一人でも充分だろ、今のお前は。」



セロの方向を見れば姿はない。

だが、声は聞こえる。



「いつでもお前を消せることを覚えとけ。」





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