どうぞ…どうか、明日も共に在れますように。
星に願いを
願いを叶えるのは自分の力だけとは解っているものの、毎夜願わずには居られない。
寒さに慣れた白い指先で夜露を孕む橙の髪を掻きあげると、瞳を閉じたまま霞む吐息を包むように両手を合わせた。
瞼に浮かぶのは、鮮烈な紅。
色褪せた世界に、ただ一色。
共に在りたいと願い続ける其の姿。
闇に生きる自分を強く優しく照らす光りにも似た存在に、じわりと温かさが胸に広がる。
いつからかも分からない程、屈託なく、純粋に前を見据える眼差しに心を奪われた。
いや、出逢った瞬間から自分の心の行方は、もう決まっていたのかもしれない。
どうか、明日も共に在れますように
ふわふわと柔らかくて優しい想いに包まれながら、浅い眠りについた。
ぱちぱち有難うございましたv