メフィスト連載
□第1話
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「うっ‥!ひっく‥おばぁちゃん‥」
「おやおや沙樹、どうしたんだい?」
両親を早くに亡くしずっと祖母に育てられていた私。本当に祖母が大好きで家にいるときはずっとべったりだった。
そんな祖母も凄く私のことを大切にしてくれたし甘やかしてくれた。
「またおいかけられた‥怖かった!」
本格的に泣き出した私をぎゅっと抱きしめてくれる祖母。
「大丈夫だよ。おばぁちゃんと居ればそんな怖いことも何も起きないさ」
さぁ、眠りなさい沙樹
良い夢を‥
私の可愛い天使‥
小学生になると時々祖母は2、3日家を空けるようになった。お仕事だそうだ
寂しいけど私を養ってくれてる以上何も文句は言えない。
「ねぇ、おばあちゃん。今回は何日くらいお仕事?」
「今回は3日間だよ。寂しい思いをさせてごめんね」
わかってる‥
沙樹ちゃんって小学生にしては大人びているわよねってご近所のおばさんに言われるくらいだ。別に大人びているわけじゃない本当は我慢しているだけ‥
「沙樹、おばあちゃんが居ない間だけ借りてきたんだ。ほら」
そう言ってカゴから取り出したのは白いわんこ。眠そうな目つきをしているが毛並みはツヤツヤフワフワだ
「これでさみしくないだろう?」
「うん!ありがとう!おばあちゃん!」
ぎゅっとそのわんこに抱きつくとわんこは、ワフッと答えた。
「その犬の名前はね‥」
びくっ!!
「‥‥ビックリした‥寝てたや」
夢なのか走馬灯なのか‥
凄く長い夢を見ていた気がする。
しかも古い忘れていた記憶‥
そういえばあのわんこはどうしたんだっけ?
なんて思いながら自室からリビングに降りる。
祖母が残してくれた一軒家は一人で住むには広すぎる。しかし家賃など払わなくて住むから凄く助かっている。
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