音無き僕等の世界
□第一話
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――――――ごめんない――――――
必死に謝っている彼女の声。
必死にオレを呼びとめようとしている彼女の声。
だけどオレは聞かぬ振りをしていた。
でも凄く悲しかった。
気付くとポタポタと涙が流れていた。
なぜ?なぜ彼女を見ない・・・・?
何故なんだオレ・・・・
彼女が例え――――としても・・・・
目が開いた。夢だった。不思議な夢だった。
気が付くと枕が濡れていた。
どうやら本気で泣いていたらしい。
彼女は誰だ?
どうしてこんなにも懐かしいと思うんだ?
不思議な感覚だった。
だけどそんなことにいちいち気を回してはならない。
オレはいつもどうり自分の部屋のドアに手をかけて押した。
・・・あれ?いつもなら「キィー」ってやかましい音がするのに・・・
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