『ひっ越し後』

□『副産物』
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「…で?!」
「ん?」


その経過を聞いていたエドワードが腕を組んで思い切り軽蔑のまなざしを向けた。

「あんたが女にキャーキャー言われた話なんざ聞いてもクソ面白くもねぇよ、アホ大佐」
「何だ、焼きもちか」
「…んなわけあるかー!頭おかしんじゃねーの?!だいじょーぶですかー?!」
「は、鋼の…っ耳がッ」

耳を掴んで鼓膜を直に叩き付ける大声をあげた。

「だ、だからそれが。…これだ」
「ああ?!」

片耳がおかしくなったんじゃないかと頭を抱えながら、マスタングがコン、と瓶を岩場に置く。

「何だよ、これ」
「マッサージ…オイル?こっちは温泉泥パック、だな」
「…どっっちも…っおーれーにーは!関係ないんじゃね〜の…?!」

もう一つ、大きめのボトルを置いたのを見て、エドワードがまたクワッと叫ぶ。

「まぁまぁ、鋼の。すべすべになると書いてあるんだぞ?」
「…っ。男がスベスベでどーすんだっつーの!」

湯に付けている足をバッシャバッシャ揺らしてジダンダを踏む。

「それはやはり私としては、だね」

スル、とエドワードの怒りに震える肩に指を滑らせる。

「んなっ!触るんな…っ」

岩場に腰を掛けてクス、と笑い、マスタングはエドワードの両手を取る。

「陽に焼けた君の肌も美しいが…せっかくのキメは保った方が…触り心地も違うし。それに、…」「あ、バカ…ッ」

いきなり引き寄せられてエドワードが足を滑らせる。
そのままマスタングの肩に倒れ込んで待っていたような膝の上に座らせられてしまった。

「…っ」

慌てて上半身を起こそうとしてマスタングの腕に絡めとられてしまう。

「んー…やっぱりもう少ししっとりとした感じが…」
「何言って…!」

すり、とエドワードの腕に頬を寄せてマスタングがチラリと舌を見せる。ビクッとエドワードが身を引く。
タオル一枚で膝をまたいで座った体勢に改めて気付いた。

「……はーぁ。もう止め止め!」
「鋼の」
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