Cool Blue
□Strawberry on the Shortcake V
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「顔中白いのでベタベタじゃねぇか。
ほら、キレイにしてやるからじっとしてろ」
「うぅ…まだ少しベタベタする…」
政宗に優しく顔を拭ってもらった幸村は、それでも不満げに文句を呟いた。
「こんなに濃いのをたっぷりと出されても、某には飲みきれませぬ…」
「Ah? 濃いのはアンタ好みだと思ったんだがな」
「確かに濃いのは好きでござるが…政宗殿のは濃すぎて…」
手にも絡みついていた白い雫を幸村が舌で舐めとっていると、政宗がまた元の大きさを取り戻したそれを幸村の眼前に突き出した。
「今度は喉を突かねぇように、周りからゆっくりな」
「う…」
それを見た幸村はすぐに口元を緩めて機嫌を直すと、再び口の中に包み込んだ。
「んっ…むぐ…」
幸村は嬉しそうに口を動かして、それを味わっている。
その間に政宗が、幸村のために用意した細い棒状のモノを中に突っ込んでゆっくりと掻き回していると、幸村が焦れったそうにその手を掴んだ。
「それでは足りませぬ…もっと、ちゃんと奥まで掻き回してくだされ…」
「もっと? こうすりゃいいのか?」
幸村が望むままに指を動かして奥までしっかりと掻き回してやると、その動きに満足したのか幸村がその手を止めさせた。
「今度は零さずにちゃんと飲めよ、幸村」
再び政宗に出されたたっぷりの液体を、幸村は美味そうに喉を鳴らして飲み干した。
「………はぁ…っ」
幸村は至福の笑顔で口唇を拭うと、疲れた様子もなく政宗に次をおねだりした。
* * *
政宗の部屋で甘く楽しいひと時を過ごした後、家の外まで見送りに出た政宗に、幸村は嬉しそうに頭を下げた。
「政宗殿、今日は至福のひと時を与えてくださった事…まことに感謝しておりまする」
「Good for you!
オレのは最高にdeliciousだっただろ?」
「それはもう絶品でござりました!」
幸村は胸の前で両手の指を絡め合わせ、キラキラとした瞳で興奮しながら感想を語る。
「さすが政宗殿の手製団子、あれほどまでに美味いとは…この辺りの団子を制覇した某も大満足の味でしたぞ!」
「団子に目がないアンタにあわせて、かなり大きいサイズで作っといたんだが…結局用意した串を全部食っちまったもんな」
政宗はずっと後ろに回していた手を、幸村の前に差し出した。
その手には、ビニール袋が提げられている。
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