Cool Blue
□永久白ノ夜
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――真っ白な雪が辺り一面に降り積もる、奥州の除夜。
(雪なんてとっくに見慣れてると思っていたが…
除夜に降る雪ってのは、普段と違う趣があって良いモンだな)
小十郎は明かり取りの窓に映る柔らかな雪を眺めながら、ちょっとした感慨に耽っていた。
除夜の趣をいっそう強く感じさせるように、何処かの寺社が撞く鐘の音が遠くから響いている。
そして部屋の中では自分の眼前で、佐助が吐息混じりに喘ぐ声が零れていた。
「んぁっ……はっ…!」
佐助は小十郎の腰の上にゆっくりと重なり、小十郎を身体の中に咥えていった。
先程丁寧に慣らしてやったからそれほど痛みはないはずだが、まだ数回しか経験がないため、どうしても躊躇いがちになってしまうのだろう。
「……あ…ッ」
小十郎を自身の奥にたっぷりと咥えこんだ感覚に身を委ね、なるべく声を洩らさないように口唇を噤んでいる佐助の表情は、下肢から感じる快感とともに小十郎を疼かせた。
「片倉さん…も、動いていいよ…」
佐助が促しても小十郎は腰を動かそうとせず、上気して朱に染まる佐助の頬に手を置くと、親指でそっと口唇をなぞった。
「こないだもそうだったが…お前、なんで声を出すのを我慢してるんだ?」
「だってさ…弱みを見せてるみたいで、なんかイヤなんだよね…」
感じている声を「弱み」だと思う佐助の気持ちは多少わからなくもなかったが、それを聞いた小十郎は当然の疑問も抱いてしまう。
(声よりももっと恥ずかしいモンは全部俺に見せてるくせに…一体何が違うんだろうな)
視線を下に落とすと、佐助がしっかりと感じている証拠が隠そうともされずに眼前に晒されている。
手の平に包んで軽く扱いてやると、動きにあわせて佐助の身体がビクッと震えたが、やはり声はほとんど聴かせなかった。
それも『忍』としての性なのだろうか、と小十郎はなんとなく思ったのだが…だからといって納得できたわけではない。
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