Cool Blue

□聖なる夜に×××を
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今日は12月25日、クリスマス。
世の中の恋人達が思い思いの場所でロマンチックな時間を過ごす、聖なる日。

そんな大切な一日に、政宗は…恋人である幸村を連れて、朝から市外の遊園地を訪れていた。



   * * *


「政宗殿っ!!
 某、次はアレに乗ってみたいでござる!」

「あ〜、はいはい…」

ジェットコースターのコースを指差しながらキラキラと目を輝かせる幸村とは対照的に、
政宗は妙に浮かない表情をしていた。

それもそのはず、今日の遊園地デートは決して政宗が望んだコトではないのだ。

(ったく…
 何が悲しくて、せっかくのクリスマスにこんな人が多いだけの場所に来なきゃいけねぇんだよ)


・・・そう。本当なら、今日は朝からずっと自分の部屋で、幸村と甘いムードに浸っていたはずなのに。


クリスマスの前日に自宅へと誘ったら、幸村が自分にも政宗と一緒に行きたい場所があると言い出し、
それなら賭けで勝った方の好きな場所でクリスマスを過ごそう、という事に決まった…までは良かったのだが。

政宗は自身が賭けの方法として提案したコイントスで見事に予想を外してしまい、
こうして幸村が希望した遊園地デートになってしまったのだ。

おまけに今日は雪が降りそうなほどの寒さで、二人ともコートにマフラーに手袋まで完備しているため、
ロクに相手の素肌に触る事さえできない。


(今日こそは幸村を押し倒して、『忘れられない記念日』にしてやるつもりだったのによ…)

幸村は政宗からのキスは素直に受け入れるのだが、
それ以上のコトをしようとすると途端に恥ずかしがっていつも逃げてしまう。
…当然、幸村の方から政宗にキスをしてくれる事も滅多にない。

おかげで、政宗は心は満たされていても、身体の方はずっと不満を抱えっぱなしなのだ。


…とはいえ、自分で賭けを提案して自分が負けたのだから、今さら文句を言ってみてもどうしようもない。

仕方なく幸村についていこうと顔をあげると、幸村はすでに人波の中をジェットコースターに向かってまっしぐらに歩き出していた。


 

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