Cool Blue

□Blue Prisoner
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――・・・ずっと何かの夢を見ていた気もするし、何も見ていなかった気もする。




(……ん…?)

政宗はぼんやりと目を開けた。
拭い切れない眠気は政宗をもう一度深い暗闇へ誘おうとしたが、鈍い頭痛が二度めの眠りを拒んでいる。

(なんだ…?
 頭が…クラクラする…)

まだ目覚めたばかりだからだろうか、うまく血が身体を巡っていないような、そんな感覚が全身を気怠くさせている。
それでも政宗はなんとか重たい頭を働かせ、目覚めるまでの出来事を思い出そうと努めた。

(そうだ、確かオレは…戦ってる最中に足場が崩れて…そのまま……
 …情けねぇな、戦いに夢中になってて自分の足場を見失うなんてよ)

とりあえずそこまで思い出した政宗は、次に自分がいる場所を知ろうとした。

まず最初に視界に映っていたのは、見覚えのない天井…
そして、自分がなぜこんな見知らぬ場所にいるのかわからないままに、身体を起こそうとした時――政宗はようやく異変に気付いた。


両手が、頭上で何かに縛りつけられている。


「――ッ!?」

政宗は全身から血の気がサッと引くような冷たい感覚に襲われて一気に覚醒すると、
パニックに陥りそうな思考をなんとか抑えつけるために何度も深く呼吸した。

(落ち着け…落ち着け!
 まずは…状況把握が最優先だろ!)

自分で自分に幾度も言い聞かせ、ようやく周りを見る余裕が生まれた政宗は、
まず真っ先に頭上を――自分の両手がどこに何で固定されているのかを確認した。

そこにあったのは、一般の兵が使うようなシンプルな模様の槍だった。

その刃の部分がほぼ根元まで畳に深々と突き立ててあり、
柄の部分に頑丈な紐のような物で両手首をキツく縛りつけられている。

(これじゃ簡単には解けそうにねぇな…クソッ!)

次に見える限り自分の身体を確認してみたが、身に纏っていたはずの鎧の類いは全て外されていた。
当然、愛用している六振りの刀もどこにも見当たらない。


 

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