Cool Blue

□ライバル以上コイビト未満のハッピーメリークリスマス☆
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「美味い…相変わらず政宗殿の料理の腕は、菓子といわず天下一品でござるな!!」

「まぁな。今日は特に気合い入れて作ってるしよ」

「それって素材が良いからじゃないの?
 片倉さんの育てた野菜、いつもすっごく美味しいからさ」

「当たり前だ。俺が育てて美味くならねぇ野菜なんか一つもねぇからな」

「なんせ小十郎の野菜は絶品だからな。
 オレは毎日食ってるが、一度この美味さを知ったら忘れられなくなっちまうぜ」

いきなり口を挟んできて「羨ましいか」と自慢げにそう胸を張る政宗に、佐助も「わかってないね」と言いたげな微笑で対抗する。

「ウチの旦那の手料理も、一度食べたら(別の意味で)二度と忘れられなくなっちゃうよ。
 ねー、旦那?」

「さっ、佐助!
 それはまだ誰にも言うなと…っ」

佐助の発言を聞いた政宗と小十郎は、二人で全く違う表情を浮かべた。
小十郎は『真田の作る手料理など想像もできない』と眉間に渋い皺を寄せ、政宗は『幸村の手料理をいつも食ってんのか』という瞳で佐助を見つめている。

「そ、その…いつも政宗殿には馳走になってばかりいるので、たまには某も政宗殿を持て成せればと…それで…」

「オレの…ため?」

幸村はわずかに頷くと、料理上手な政宗と視線をあわせる事さえ恥ずかしいのか顔をうつむけてしまう。

「不慣れな上に不器用ゆえ、なかなか上手くゆかぬのだが…精進を重ねておりますので、今暫くお待ちくだされ」

「そういう事なら楽しみにしてるぜ、幸村。
 …そうだ、早く上達するようにオレも少し手ほどきとかアドバイスしてやろうか?」

「そ、それは絶対にお断りいたしまするっ!!」

幸村としては『政宗に見苦しい姿を見せるわけにはいかない(さらに政宗が料理する姿に見惚れて覚えられそうにない)』というちゃんとした理由があったのだが、
勢い良く否定された政宗はガックリと落ち込んでしまった。


 

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