Cool Blue 2nd
□たまには、二人で。
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年末が近づくにつれて冬の寒さもだいぶ厳しくなってくると、各地で様々なイルミネーションやライトアップ、クリスマスイベントが話題になり始める。
その中でも壮麗なイルミネーションで有名な遠方のとある観光地を泊まりがけで訪れた四人は、前もって予約を入れておいたホテルに立ち寄り、荷物を置いて一休みした後で、目的の会場へと向かっていた。
* * *
ホテルから会場までは少し距離があったのだが、自分たちと同じ観光客がそれとなく流れを作っているため、道に迷う心配はなさそうだった。
その流れに混ざって歩を進めながらも、四人の中で殊の外寒さに弱い佐助は、カイロを頬に当ててなんとか暖を取りながら自分のミスを後悔していた。
「うぅ〜…やっぱりカイロだけじゃツラいなぁ…
なんでホテルにマフラー置き忘れてきちゃったんだろ…俺の馬鹿…」
「なんだ、その歳で冷え症かよ。ダッセェ」
「む。これでも佐助は佐助なりに頑張っているのでござるよ!
家では厚い半纏にモコモコ靴下で炬燵に篭り、寝る時は湯たんぽが手放せぬほどの寒がりで――」
「ちょっ…こんなトコでこっ恥ずかしい個人情報垂れ流さないでよ!」
小十郎は賑やかな三人の会話を聞くだけで口を出さずにいたのだが、ふいに自分の巻いていたマフラーを外すと、佐助の首にふわりとかけてやった。
「ほら。使え」
「え、でも…それじゃ今度は片倉さんが…」
「これでも寒さには強い方でな。
無理して旅行中に風邪ひかれても困るし、いいからお前が巻いてろ」
「…うん」
寒かったのは事実だし、せっかくの好意に甘えてしっかりと巻きつけたものの…
小十郎の体温の残るマフラーに包まれているのはなんだか気恥ずかしくて、佐助はつい俯きがちになりながら礼を言った。
「…あ、ありがとね」
「なんだ、最初っから小十郎のマフラー狙いだったってワケかよ。
忘れたフリして計算ずくとは、相変わらずタチが悪いな、アンタ」
「そんなワケないだろ!
片倉さんが好意でしてくれた事にケチつけるなよ!」
「…好意、ねぇ?」
小十郎に優しくしてもらう佐助が少し羨ましくなってしまったのか、唐突に政宗が小十郎に手の平を突きつける。
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