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□消せないよ(この想いだけは、ずっと…)
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こんなことを言ったら、
君は泣くんだろうか
「最後に何か言うことはある、綱吉クン?」
俺が最も嫌いな笑みを浮かべて見下すそいつの手には、黒々と光る銃が握られている
不愉快だが銃口は俺の眉間へと向けられていて
いつでも引き金を引けるようにと引き金に指をかけている
彼の有名なボンゴレのドンがひれ伏しているなんて、誰であれ予想打にしないだろうな
俺だって不愉快でしかたがない
「敢えて言うならアイツは絶対にお前の手には渡さない」
「今から死ぬのにどうやって護るっていうの?」
より一層楽しげに笑い見下してくるコイツに俺はこの上ないほどの極上の笑みを返す
「もし何かしたらお前のこと地獄から呪い殺してやるよ」
「これは滑稽だね
でも生憎僕は呪いなんてもの信じない質なんだよね」
残念だったね、と付け加え銃を握る手に力を込めた
「それじゃあ綱吉クン、短い間だったけど
お別れだ」
パァンッと空を裂く音が部屋中に響き渡った
嗚呼、こんなことを言ったらお前は泣くんだろうな
ごめん、今日は早く帰れそうにないよ
急に用事が出来たんだ
今度いつ逢えるか分からないけれど、
必ず君の元に帰るから
出来れば君に涙は似合わないから、泣いてほしくはないけれど、
俺のために泣いてくれるなら
今はそれだけでいい
(ただ一つ君に伝えられたのなら)(この想いを、)
...fine