奪還屋 小説
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やはり罪なんだろうか
-Crime-
月夜
綺麗な満月
薄暗い、しかし、温かな光の中
その中心に
俺とお前が座っている
「綺麗…だな」
と、呟く
でも、月に魅入ってるお前に、この声は届いてないようだ
しばらくの沈黙
そんな時間も愛おしい
そっと、抱き寄せると、くすぐったそうな表情をする
「また、さ…見に来よう。2人でさ」
隣からそんな声がしたから
より、愛しさが溢れてくる
本来ならば許されない恋
だけど、好きなんだ、コイツが
なぁ、こんな感情すらも罪だと言うなら
どうか裁かれるのは俺だけにしてくれ
どうか、どうか
コイツを裁かないで
罪は全て俺に…
そう思いながら…今度は強く、君を抱きしめた
「愛してる…」
どうか…
END