REBORN! 小説
□過去拍手文
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今日はどんより曇り空
-やらずの雨-
金曜日
学校帰りに獄寺をウチに誘った
付き合い始めて1ヶ月
それなりに距離は縮まった、と…思うのな?
でもさ、やっぱり…まだイチャイチャとか出来る雰囲気じゃないし
…そういうの絶対に獄寺は嫌がるし
いや、うん、そういう感じも可愛くて好きだけどな?
でもやっぱり"恋人"だし
距離を縮めようと思い、ウチに誘ってみたわけなのな
「なんか飲むか〜?」
「んー…、別にいい」
「わかったー」
さりげなく隣に座ってみる
それからぽつり、ぽつりと会話を交わす
どんな内容だったかな?
…緊張しすぎて覚えてないや
ここに来てくれたことが嬉しくて
普段よりも沢山話せたのが嬉しくて
そろそろ帰るって獄寺が立ち上がった瞬間に「行くなよ」って言いそうになった
…そんな我が儘言えないけどな
だって言ったら嫌われるだろ?
自分の部屋から玄関に移動して
扉を開けた
すると
ザーッ…
さっきまで曇りだったのに
突如降り始めた雨に
あぁ、この雨は俺の気持ちを代弁してくれてるんだ
と
『帰したくない』
もう我が儘がどうとか、どうでもよくなってさ
「…傘持ってないだろ?風邪引いたら大変だし、どうせ明日休みだし、今日泊まってけば?」
さらっと、自然に
帰ろうとした獄寺の腕を引っ張って、連れ戻した
…やっぱり今日は帰さないのな
今回は、雨に感謝
帰したくない、帰さない
こーいうのってさ
確か
"やらずの雨"
って言うんだよな…
END