花形 小説
□過去拍手文
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君の中に降り続いているのは
雨なんだ
-天気雨-
事故のあと、黒沢は以前よりも笑うようになった
その笑顔に違和感は感じていたけど
「君が笑うなら…」
と、さほど気にしていなかった
でも、見てしまった
…一人で泣いてるところを
いつも笑顔でいるくせに
本当は
心の中では泣いていたんだ
まるで
晴れているのに雨が降る
天気雨のようだ
「黒沢ッッ…!!」
耐え切れずに僕は黒沢を抱きしめた
「あまっ…?!」
黒沢をこんな目に合わせたアイツを、僕は許さない
そんなことを言うと、黒沢は絶対に悲しい顔をするから口に出しては言わないけど…
君の雨を僕が少しでも和らげてあげたい
そして
いつか、君の雨が止むようにしてあげたい
だから
だから
「無理して笑わなくて良いんだ、泣いたって良いんだよ、黒沢…!!」
今はたくさん泣いて
泣いて、黒沢
僕が全て受け止めるから…
いつか君が心の底から笑えるように…
君の心が晴れるように
END