捧げ物‡

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これが私と美堂君が付き合い始めたきっかけでした


本当は冗談のつもりだったんです
もしも私がこんなことを言い出したら…彼はどのような反応をするのか…見てみたかっただけなのです

それが…本当に付き合うことになり…

そして…本当に貴方が好きになった

その気持ちに気付いてから数日後…

彼に別れを告げられました

知ってました
だって彼は私のことなんて…想ってくださってないから…

「何故、ですか…?」

わかりきっているくせに、理由がしりたくて…思わず聞き返してしまいました

しかし彼は俯いて何も答えようとはしませんでした

「わかりました…。別れましょう」
「ホント…ワリィ…」
「いえ」

元々無理を言ったのは私の方でした

本気になったとは言えぬまま…彼は私の元を去りました

扉の締まる音

遠退いていく足音

本当は貴方の全てが愛おしくて…絶対に離したくなんかなくて…

本気になんて…ならなければ良かった

そう…思ってしまいました

そうか…、怖かったのは私の方だったのですね

貴方に対して…本気になるのが怖かったのは…

今更…遅くて…


好きでした、とても
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