捧げ物‡
□温もり
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季節は秋
もうすぐ冬がやってくる
─「温もり」
「…寒っ…」
「大丈夫か?上着貸すぞ?」
「…大丈夫だ」
つってもやっぱ寒いモンは寒い…
今は秋だけどもう少しで冬だ…
手が冷えるし…寒いのはあまり好きじゃない
でも…
寒さだって使えるときがある
「しょうがねぇから手、繋いでやるっ」
俺は手を差し出した
「ただ手が冷えてただけだからなっ」
そんなのただの口実で…ホントは…
「ったく、素直じゃねぇな…」
ヤツは俺の手を握り返した
あ…
コイツの手ってデカくて…暖けぇ…
「うっ、うるせぇ」
ホントは…ただ…
「…そこが可愛いんだけどな」
「んなっ?!」
こうして
手を繋ぎながら
「その反応も可愛…」
「だっ、黙れぇっ!」
二人で
笑い合いたかっただけなんだ…