奪還屋 小説

□2
28ページ/43ページ


あぁ、また…

会ってしまったのですね


-REVERSE-


また…私達は戦っています

今回もたまたま会ったので…ね

と、言っても今回は美堂君からお誘いいただいたのですが…

何故でしょうか

気が乗りません

何処か意識を遠くに飛ばしながら戦ってしまいました
…それがいけなかったのでしょうね

攻撃を喰らうばかりか…いつの間にか美堂君が私の上に乗っていました

「へっ、今度は役不足なんて言わせねぇ」
「…っ…なるほど」

確かに貴方は役不足ではなくなりましたよ

むしろ今回は私の方が役不足だったようですね…

「認めろ」
「何をですか?」
「俺様の強さをよ?」

体制はそのままで…いきなり"認めろ"と、言われました

「認めたら…どうなるのですか?」

素朴な疑問でした

「俺様の言うことを聞くんだな」
「例えば?」

…何かを期待していたのかもしれません

「…付き合え」


あぁ、貴方は私を想っていてくださったのですか…


本来ならば…喜ぶべき出来事なんでしょうが


やはり…

望んでいないことは起こるのですね


…形勢を一気に逆転させていただきました

「なっ…?!」
「それだけは出来ませんね…。ふぅ、もう少し楽しめる方だと思っていましたのに…もう死になさい」

美堂君の首筋にメスを当てました

まだ切りません

ゆっくり時間をかけて切ります

愛した人だから

愛したからこそ…

最後まで愛しぬきたいのです

「赤、屍…」
「何ですか、遺言なら聞きますよ?」
「遺言、か…。じゃあ1つ」
「…何ですか?」

美堂君はゆっくりと目を閉じました
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ