奪還屋 小説

□その1
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─『なぁ、亜紋?この仕事が終わって落ち着いたらでえぇんやケド…マジでワイと一緒に漫才せぇへん?ワイ、お前と本気で漫才やってみたいねん。どや、やらへん?』
─『…ん〜。笑やんとだったら…やってもイイかなっ。あっ、でも近づきすぎんのは禁止だからね!!』
─『ちょっとくらいならえぇやん!ほな決まりやな!!』
─『うん、絶対に漫才しようね!!』
─『夢は世界進出やな!』
─『そんなに有名になんなくてもイイよ〜…ι』
─『夢はでっかい方がえぇやろっ!』
─『それもそうだねっ!』
─『約束やで』
─『うん!』

******

「約束…したやん…。」

あの仕事が終わったら…二人で漫才をしようなって
ホンマにお客がいっぱい入れるだけ広い会場で、二人のためだけについてるスポットライトの中で、お前と一緒に漫才がしたかったんや
お前の隣で突っ込みやって…拍手喝采や
世界なんてホンマに考えてたわけやないケド、ただお前と漫才がしたかったんや
そんな願いも今となってはもう…叶わない
叶うわけがないねや
隣にお前はもうおらへん
もう、ホンマにどないすればイイのか全然わからへんわ…
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