REBORN! 小説

□その1
9ページ/12ページ


起きてからすぐに

ハネた髪のまま家を飛び出した


-夢のように-


走る

とにかく走る

あれは夢だってわかってるのに

俺は、夢の残りを抱いて走る

「…ははっ、正夢になったら良いのにな…」

夢に出てきたのは

俺の隣で

満面の笑みを浮かべる君

俺の恋人は

いつも素直じゃなくて

なにを言っても

「あっそ」

と、返事する

笑顔なんてツナ以外には簡単に見せやしない

それでも

「俺は好きなのな、アイツが…」

どうしても君の笑顔が見たい

そう思ってたらとうとう夢にまで出てきて…

その瞬間

なんでかな

今日は笑ってくれるような気がしたんだな

いつもは君のことを考えながらゆっくり歩く道も

今日は君のことを考えながら猛ダッシュした

あぁ、どうか正夢に

まず会ったらなに話そう

そんなことばかり考えながら走った

ただ

笑ってほしい…

それだけなのな

いつもの待ち合わせ場所に近づくと

どんどん君が見えてきて

「おはよ!!」

汗だくになりながら笑顔で挨拶

すると君は

「なんで、んな急いで来たんだよ」

なんて

少し微笑むもんだから

ほら、…正夢だ

汗だくのまま、笑顔の君を抱きしめた

END
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ