狗狼綺譚 -琥珀と真紅の想い-
□第2話 謎は謎のまま -護衛と監視-
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「キバ・・・あの娘、お前が会った時は姿が違ったんじゃないか?」
―――――!!
何で知ってんだ!?
驚いて目を丸くするオレを見て、”やはりな・・・”と呟く。
「五代目、アイツのこと、何か知ってんすか?」
「・・・・・お前は見たのか?その瞬間を」
「いえ、見たのは赤丸だけで、オレは前後・・・狼の姿と、今の姿しか見てないっす」
「そうか・・・ハナも同じか?」
「姉ちゃんは今のしか見てないっすけど・・・?」
それが何だってんだ?
「ふむ・・・・・狼・・・ハクビ・・・・・犬塚・・・」
何かブツブツ言ってるけど・・・・・ハクビ?
ハクビって何だ?
引っかかった言葉をぐるぐる考えてたら、結論が出たらしい。
「後でハナと一緒に私の所に来い」
「え―――――っ!?オレ休みなんすよ―――?」
「やかましいっ!」
文句を言ったら一喝された。
「いいか、キバ?詳しい話は後でするが、お前が見つけたあの娘・・・とんでもない事が起こるきっかけになるかも知れん」
・・・・・・・・・・は?
ポカンと口を開けて五代目を見たら、”必ず来い!”と念押しされた。
何だっつ―んだ?
訳わかんねぇまま、さっきの部屋に戻ったら、あらかた落ち着いたみたいで、看護士が一人と姉ちゃんしか残っていなかった。
「姉ちゃん、五代目が後で来いってさ」
「あ、あぁ、そうか・・・分かった」
「コイツ・・・・・大丈夫なのかよ?」
「大丈夫。もう落ち着いたよ。あとは安静に・・・・・!!」
「!!」
二人同時に、複数の人間が出現した事を嗅ぎ取る。
・・・・・暗部?
護衛か監視か分かんねぇけど、コイツの存在ってそんなに大事なのか!?
「キバ・・・急いで火影様の所へ行くよ!」
「あ、あぁ」
若干、呆気に取られつつも、俺は姉ちゃんと火影邸へ向かって行った。
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