NARUTO Dream 1

□カゴノトリ
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燃え上がる夕暮れから



生まれたての月が顔を出す頃



眼差しを絡め合い



世界は切なさに満ちた





―カゴノトリ―





気だるげな空気が充満した、独特の雰囲気の部屋で膝枕をされながら、頭を撫でられる。



会話などいらない、とても安らかでいて切ない時間が流れていた。



少しだけ肌蹴た着物の裾から出ている足首に手を伸ばし、くるぶしに指を滑らせると、息を止めたのが分かる。



そのままふくらはぎから膝頭まで、するりと手を動かせば、”あっ”と小さく声を漏らした。



起き上がり、唇を重ねれば体温が急上昇し、生ぬるい吐息が交じり合う。



口の端から零れる銀色の糸は、オレの物か、お前の物か・・・。



胸元を肌蹴させ、首筋に吸い付きながら背骨に沿って指を這わせると、ビクリと身じろぎする様子がたまらない。



もつれ合うように肌を重ねてゆくにしたがって、何も考えられなくなった・・・。







『犬塚はん・・・うち・・・』



「言うな・・・分かってる・・・・・」



『はい・・・でも、うちの心は・・・ずっと、犬塚はんの物ですよって・・・』



「オレの心も、お前の物だ。離れても、二度と会えなくても・・・」



『・・・嬉しい・・・犬塚はん・・・!』



もう一度口付けしようとしたら、時間だと合図が来た。



何を言ったらいいのか・・・思いつかないまま、部屋を出ようとした時、無意識に出た言葉は一つだけ。



苦しげに寄せた眉の下の瞳は、涙で濡れていた・・・。







振り返ることもせず、道の途中で見上げた月に向かい、もう一度呟く。





“生きろ・・・”





涙が一粒落ちて、地面に吸い込まれて行った。






End

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