Poem

□枯渇
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何もかも渇いて、干からびてる。


地面は、潤いが足りなくて、割れている。


その隙間からは、乾いた風が吹き抜ける。


その風に当たっている僕。


たった一人で立っている僕。


僕の身体も心も渇いて、潤いを求めてる。


口はすでに渇ききっていて、唾液すら出ない。


心は干からびて、固く冷たい。


潤いなんてないから。


僕の心も身体も潤えないから。


潤えるものがないから。


この悲しく切ない気持ちを誰かに伝えようとしても、もう無理。。


だって、喉も渇いていて、一生懸命伝えようと頑張って、声を出してたら、喉から血の味がした。


喉は潰れてしまったよ。


そう、だからもう、僕の気持ちは伝わらない。


渇いて、身体もだんだん動かなくなってきた。


せめて、目で僕の気持ちを伝えようとした。


だけど、僕の目は気持ちを伝える事が出来ない。


何故なら、僕の目は霞んで何も見えないから。真っ暗闇だから。


目の潤いすら、奪われてしまったよ。


だから、僕の気持ちを伝えようがない。


伝える術がない。


伝える必要がないのかもしれない。


だから、全て奪われたのかもしれない。


気付いたら、血も流れなくなってきていた…。


僕は倒れた。


そんな僕のわずかな潤いですら、太陽は奪っていく。


僕はもう無理なのかもしれない。


せめて……と思い、僕は最後の力を振り絞り…。


地面の割れ目に落ちた。


僕は光に当たってはいけない。


人目がない所で最後を遂げなければならない。


そう、僕は思った。


もし、僕があの場で死んでいたら、少しは僕の気持ちが伝わったかもしれない。


だけど、僕はしょうがないと思ったんだ。


僕の屍を見ても、皆、哀れんでみるのだろうから。


可哀相にってね。


僕は哀れんでなんかほしくない。


ただ…わかってほしかっただけなんだ。


この悲しく切ない気持ちを。


ただ…、人の愛にふれて…何も争いもない、平和で満たされたかったんだ。


でも、駄目だったんだ。


だから、何もかも干からびてしまったんだ。


この暗黒の先に待つものは何かな??


この暗闇の中に平和があればいいのに。


幸せがあればいいのに。



幸せが…あ……のに。。



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