BL部屋
□愛しきわが主
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「しかし、佐助・・・何故某だけが風邪を引いて政宗殿は平気なのでござるか?」
「鍛え方が違うからじゃないの?
或いはここは政宗の旦那のテリトリーなんだからこれぐらいのことなら大丈夫なんでしょ。」
幸村のおでこにあるタオルを冷たい水に冷やし、またのせる。
「全く、この事は帰ってから大将に伝えるからね、旦那・・・。」
「なっ!!佐、佐助?!それはないでござる。」
幸村の頭の中には尊敬してやまない信玄の怒った顔が浮かぶ。
「だめ、元はといえば旦那が悪いんだからね〜、当たり前だよ。」
顔半分を布団の中に隠し熱のため潤んだ目で佐助をじっと見つめる
・・・・。
「そんな顔しても駄目なものは駄目だよ。」
「分かったでござる、うー、諦めるでござるよ。」
プイと横を向いて丸まってしまった幸村を見て佐助は自然と笑みが零れ始める。
「旦那・・・機嫌なおしな〜せっかく二人きりなんだからさ。」
「なっ、何を言うでござるか、某は風邪を引いてるでござるよ。」
幸村は、慌てて拒もうと後ろを振り向くがそこには笑いを堪える佐助の姿があった。
「旦那の方こそ何を考えてるのさ
、俺さま久しぶりに二人きりなんだからもっと楽しい会話にしようとしただけなのに。」
「へ?!そうだったのでござるか
?!」
言ってしまってから、幸村は自分が如何に破廉恥な発言をしたのかを理解して頭から布団をかぶり佐助を視界から消した。