永 -tokoshie-

□−光−
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まわる


   まわる


      うんめいのりんね


  めぐり


     めぐったそのさきに


  たどりつく


       ばしょは


    どこ










目が覚めた。

夢の内容はよく憶えていない。

体中にかいた汗が
じとじとと肌に纏(まと)わり付く様が気持ち悪くて、
私は直ぐに制服に着替えた。

リビングとキッチンを兼ねた、
最近の家庭に在りふれた構造の部屋に着くと、
いつもの様に
母が朝食(と云えるか判らないくらい簡素なもの)の片付けをして、
父は眠気からくるらしい
不機嫌そうな顔で用意されたものを食べていた。
私も黙ってそれに加わり、
特には味のしないモノを
咀嚼し、嚥下し続ける。



いつもと変わらない日常、

何の変哲も無い毎日。


本当に、
私望むものなど、
手に入るのだろうか。


・・・答えは明白。

そんな都合の良い事は
起こりはしない。

現に呪(まじな)いを懸け始めて七日、
私には何の変化も無いし、
「幸せ」の「し」の字も見えない。










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