□一度だって勝てやしないのだ
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「でもさ、英二が自分の誕生日を嫌がるようになるなんて、無いと思うよ?」

「なに、それ。俺がお子様だとでも言うの?」

「んー。それももちろんあるけど」

ちょっとむくれる俺に不二は思わせぶりにこっちを眺める。

「にゃんだよ、にゃんだよ!どーせ俺はいつまでたってもお子様ですよーだ。」

怒ったぞ、というように不二に背を向ければ不二がそっと後ろから抱きしめてくる。

「やめろよなー、」

「だってさ、」

手を払おうとした俺に覆いかぶさるようにして、不二が言葉を紡ぐ。

「だって僕がずっと英二の誕生日を祝うのに英二が喜ばないわけ、ないでしょう?」









「・・・・・・ばっかじゃねぇの」

ようやく言葉にできたけれど自分でも耳まで赤くなってるのがわかる。

くっぞ、結局不二には勝てやしないんだ。


僕の言うことの方が正しいでしょ、そう言ってくすくす笑う不二に俺は口惜しいながらも何も言い返せない。

「大学生になるまでなんて、そんな短いスパンじゃなくて永遠に僕は英二の傍にいるから」

離さないよ、なんて言う声は笑いながらも真剣で、俺はただ頷くだけだった。

ぇんど☆
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