球
□菊丸君の杞憂
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まて!お前に泣かれるのは苦手だ。
「不二よりも俺様のほうが菊丸に似合うと思うぜ?」
「不二じゃ不釣合いなの?グスっ。ぅ〜・・」
「顔の種類が違いすぎるだろ?ほら、その点お前と俺様は髪型が似てるし」
「俺だって不二みたいに、なんにもしなくてもストレートになりたかったのに〜・・うっ、うう・・」
「ちょっと上がり気味の目とかも俺様たちは似てると思わねえ?」
「不二みたいな優しそうな目が好きだモン〜・・」
優しそう?!あれがか、あの目がか?!
「俺様の方がテクは上だぜ?」
その言葉にやっと菊丸は目を上げた。
「テクってにゃんの?」
ぐはっ。上目遣いでその言葉は腰にくる。
「そりゃお前「英二、こっちおいで」
「!!??」
「不二!!」
菊丸は小走りで不二の元に駆け寄る。
「英二、泣いてたの?こんなに目腫らしちゃって。跡部にいじめられたの?」
「ううん、そうじゃなくて――「大丈夫、僕がしっかりとお礼しといてあげるからね」
そういって菊丸に店を出てるように言うと、不二はこっちに向き直った。不二の顔は般若だった。
「ちがっ・・・俺様は・・・」
「英二が僕には不釣合いで君にはつりあうって?冗談はやめて欲しいな。しかも君たちの顔が似てる?どこも似てないしね。ねえ、分かってるよね、跡部」
しっかり最初から聞いてやがったのか・・!!
「君はただ自分に酔ってればいいのさ。今後英二に近づこうとしたらどうなっても知らないからね」
そういうと、不二は去っていった。
すっかり傷心した俺様が家に帰って自分を慰めようと菊丸の写真を出そうとしたら全て灰になっていた。
end