□幸せな誕生日
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「プレゼント、プレゼント…」


一週間くらい前から任務が終わるとすぐに帰るサクラが不思議で、ナルトが理由を尋ね、明日がサスケの誕生日だということを知ったのが昨日。それだけでもナルトにとっては初耳で驚くことだったのに、いつも迷惑かけてるんだからあんたもプレゼントあげなさいよね、なんて言われてしまえば困惑する以外ない。その上今日相談しようとしたら彼女はもう既に帰っていた。


「何あげればいいんだってばよ…」

プレゼントを人にあげるなんて初めてなのだ。何をあげればいいのかまったくわからない。ナルトは昨日から真剣に悩んでいた。


「うう〜ん」

「おいドベ」

「ドベじゃねー!ってサスケ…」

「さっきから何考えてんだよ」

そう聞かれてはたと思いつく。そうだ、さりげなく聞けばいいんじゃん。

「オレってば最近『スーパー味噌ラーメンチャーシューミックス』のカップラーメンがお気に入りなんだけど、高いんだよな〜。お前だったら何が欲しい?」

オレってば超ナイス!!我ながらうまい聞き方だってばよ。心の中でガッツポーズをしながらナルトはサスケをそろりと見た。

「俺は…あー…トマト?」

「……‥」

そうだ、そうだよな。欲しい物というより好きな食べ物の話って感じだったよな、オレ。

「ナルト?」


「ぁ、あー…そっか。トマト好きなんだー。へー」

自分から話題を振ってきてまるで興味の無い様子にサスケはイラつく。

「興味がないなら訊くんじゃねえ!」

だって訊きたかったのはそんなんじゃなかったんだ、と言いかけてナルトは口をつぐんだ。確かに今のは自分が悪かった。

「ごめん…」

珍しく素直に謝るナルトにサスケもこれ以上文句は言えない。

「別にいいんだけどよ…」

じゃあな、と言い向けられた背中を見て焦ったナルトは思わずこう言っていた。

「きょ、今日サスケん家行ってもいい?」
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