□これも運命
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まさか人間拾うなんて、思ってもみなかった。

「よぉ、ちびっ子」

「オレってば、ちびじゃねーっ!って…誰?」





森の中。任務帰りに気配を感じて立ち止まってみればこの金色が落ちていた。

体中怪我だらけで気絶をしていたから家に連れて来て介抱してやったんだが、起きてすぐにこんだけ元気そうだったら心配はいらないようだな。

「不知火ゲンマだ」

「ゲンマ先生…?」

「先生なんてやめてくれ。柄じゃ無いからな」

「だってオレより年上だってば!そしたらみんな先生なんだってイルカ先生言ってた!」

海野イルカか…。良い先生として人気がある半面、随分とこいつに甘いと苦情も出てるらしい彼。噂だけなら聞いたことがある。

「はいはい、ソーデスカ」

なんとなくイラついた。
助けた俺の意志よりも海野イルカの意見が優先されるのがおもしろくなかったのかもしれない。

「“イルカ先生”は助けてくれた人に対して言う言葉は教えてくれなかったのか?」

「ありがとだってばよ!」
俺の言葉に明らかにむっとした顔をしたのがおかしくて、少し笑ってしまった。

途端に不思議そうな表情を浮かべる。

「なんか、兄ちゃん変な人だってばよ…」
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