球
□未
1ページ/2ページ
なーんかさ、もうすぐ皆卒業なんだって考えたら
今までゴウゴウに燃えていた火が急に鎮火寸前になっちゃったカンジ。
つまりは頭が真っ白になった、ってコト。
「どうしたの、英二」
広い青学は探せば穴場スポットなんて腐る程ある。そんな中で俺を見つけ出すなんて超人は声を聞かなくたって一人しかいない。
「不二こそどしたのー?」
ごまかすように訊き返すけどどうせ不二には全てお見通しだ。
「英二の顔が見たくなっちゃって」
「教室でまた嫌という程見られるのに?」
「嫌だな、英二。英二の顔はいくら見ても嫌になんてならないよ」
にこやかに笑う不二に負けたよ、と降参のポーズをとって不二の場所を空けてやる。
そうして俺はまた空を眺めた。