球
□幼馴染は最大のライバル
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ずっとアイツが気になっていた。
それが恋だと知ったのは、今まで何でも許せた幼馴染に言いようもなくいらついたから。
不二周助が甘い顔をするのはこの世に裕太ただ一人だけだと思っていた。もちろんそれは恋焦がれるようなものではなくて、弟への肉親の情であって、それ以外に、それも恋愛感情であいつの顔を緩めさせることができる存在があるなんて思ってもいなかったんだ。
青学に偵察をかねて寄ったある日。俺はそれを目にしたのだった。柔らかい顔で話をしている不二の相手に俺は当然興味を引かれ、ひょいと顔を出す。そこで目に入ったのは、
菊丸英二。
大石とはゴールデンペアと呼ばれ、シングルスでも実力者と言われる彼。
俺の頭の片隅に棲み続けていた男だった。