□未定
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「あ」

「おや」

ロイの執務室前、ドアを開けたロイは一人の人物にぶつかりそうになった。

金色に光る明るい髪した元気そうな女の子。見たことのある顔だ。

「これはロックベル嬢。こちらに何か御用が?」

「こ、こんにちは!」

ウィンリィ・ロックベル。鋼の錬金術師、エドワード・エルリックの幼馴染である。そうしておそらく、将来的には恋人になるであろう少女。

ロイは笑いかけながら心のどこかがちくりと痛むのを感じていた。

「えと、エド知りません?今日機械鎧の整備の日なんですけど、宿に電話したらもう司令部に行ったと聞いたのでこちらに伺ったんです。」

お邪魔だとは思ったんですけど、と続けるウィンリィにロイは意識しながら笑顔を保ち答えた。

「そんなことはないよ。鋼のなら今中庭にいるはずだ。今日は少佐が来ていてね、組み手をしようと兄弟を誘ったんだ」

「そうですか!ありがとうございます〜!」

元気にお礼を言いながら走り去るウィンリィ嬢は、あの豆と似ていると感じた。二人とも話が終わるとさっさと去る。

「まったく、あれが若いということなのかね」

29歳のロイ・マスタングは右肩を軽く指圧しつつ執務室に入って行った。
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